親知らずとは、第2大臼歯の後ろ側にはえてくる歯です。一番最後にはえてくるため、はえる場所がのこされていない場合が多く、骨の中に埋まったまま出てこなかったり、斜めになってはえてきたり、正常にはえてくることは少ないです。
親知らずは抜いた方がいいの?
特に斜めにはえている親知らずや、はえかけで半分歯ぐきがかぶさっている親知らずは、歯ブラシが届かず汚れがたまり、汚れが原因で歯ぐきが腫れたり虫歯になりやすいので、抜いてしまった方が良い場合があります。
正常 | 前に傾いている場合 ※比較的多く見られる症例 |
後ろに傾いている場合 | 水平に骨に埋まっている場合 |
治療の流れ
水平に骨に埋まっている場合
診察・検査
視診・触診・打診・エックス線診査などで、歯やその周りの状態を調べます。
診断・治療計画の呈示
検査結果に基づき治療計画をたてて、その内容を説明します。
治療開始
- 抜く歯のまわりを消毒する。
- 局所麻酔
- メスで歯ぐきを切開する。
- 骨ノミで骨を削除する(親知らずを部分的に削り分割する場合もあります)。
- 器具を使用して歯を脱臼させる。
- 器具を使用して歯を抜く。
- 抜いた傷口を清掃・洗浄する。
- 歯ぐきを縫合する。
治療終了
抜いた日の翌日来院して頂き傷口を消毒します。縫った糸は1週間後くらいに取ります。
歯を抜く前の注意事項
- 歯を抜く前の日は十分に睡眠をとりましょう。
- 歯を抜く時は疲労・空腹時・女性の場合は月経時はなるべく避けましょう。
- 歯を抜く時の服装はなるべく袖口や腰周りがゆったりとしたものにしましょう。また、女性の場合、厚化粧は緊急時に顔色や唇の色が判断できないので、薄化粧にしましょう。
- 妊娠中・授乳中の方、高血圧・心臓病・糖尿病・血液疾患の方、現在、何か薬を服用中の方、以前歯を抜いたときに血が止まりにくかったり、気分が悪くなった方は歯を抜く前に必ず担当の歯科医師に相談して下さい。
歯を抜いた後の注意事項
- 麻酔が効いている間は唇や舌がしびれて感覚がなくなっているので、唇などをかまないように気をつけましょう。
- 出血がなかなか止まらない場合は清潔なガーゼを固く丸めてしばらく強く噛んでください。唾液に少し血が混ざっている程度なら心配ありません。
- 歯を抜く時の服装はなるべく袖口や腰周りがゆったりとしたものにしましょう。また、女性の場合、厚化粧は緊急時に顔色や唇の色が判断できないので、薄化粧にしましょう。
- 傷口を指や舌で触らないようにしましょう。
- 歯を抜いた当日はできるだけうがい控えてください。あまり強くうがいをすると、血の固まりが取れて傷口が剥き出しになり治りが悪くなります。
- 歯を抜いた当日は飲酒、入浴、激しい運動など、血行や良くなるようなことは避けましょう。
- 傷口を冷やす場合は、氷は使用しないで、濡れたタオルで冷やすようにして下さい。
- 歯を抜いた当日の食事は辛いものなど、刺激物は避けて下さい。
- 傷口を指や舌で触らないようにしましょう。